肋骨療法


身体の不調を治すポイントは肋骨の弾力性!
肋骨に弾力性が戻ると基礎代謝が上がり、体の活動性が増して太りすぎの解消になります。脳の働きの改善にもなり、「プチうつ」の予防にもなります。また、「肩こり」「膝痛」「腰痛」にも効きます。




肋骨の弾力性と母趾/足底全身連動反射
「肋骨」は複雑な関節構造をもち、骨折もしやすく、繊細な内臓器官が内部にあるため、治療の分野ではさけられてきました。

しかし「肋骨」には多くの筋群が付着しており、肋骨はいかに多くの筋群から影響を受けているかがわかります。

「肋骨を上方へ引き上げる筋群」「肋骨を下方へ引き下げる筋群」「上肢の上げ下げによって作用が変わる筋群」があります。

「肋骨」が充分な「弾力性」を持っていることは「肋骨」の生理です。

「肋骨」の柔軟性は、「肋軟骨」が柔軟な動きを司る役割を果たしています。幼少期はやわらかく、加齢とともに硬くなって骨化していくことがあたりまえのように考えられていますが、70代、80代の老人でも「肋軟骨」がおどろくほどやわらかい人も多いのです。

「肋軟骨」がやわらかい身体をしている人は「健康」であり治療院にはあまり来ない傾向が見られます。
 
「肋骨体」の走行が水平ではなく斜方走行であり肋骨構造の特殊性によって「肋軟骨」が弓なりにえぐるように肋骨全体が軋(きし)みます。

だから人間は機械やロボットではできない柔軟な動きが許されています。柔軟な肋骨は「健康体」であるための必要な要素です。

「肋骨」が硬くなると首・肩・腰との連結に柔軟性は消え関節へ負担が増大します。
 
ならば「肋骨」の「弾力性」が失われて硬化していく原因は何か。
肋骨に付着する筋の関係です。

「肋骨」の外部にある筋群の伸張が減少すると硬化により、吸気時の「胸郭」の膨張度が減少し「肋軟骨」の硬化により前面では「肋骨」と「肋軟骨」の関節硬化や、後面では「脊椎骨」と「肋骨」との関節硬化が引き起こされます。

「肋骨」の外部にある筋群は肋骨膨張の限界点を規定する存在であるため、これらの筋群の硬化は全身へのマイナスの影響度があまりも大きい。
 
主に肋骨の外部に存在する筋群は、カウンターウエイトの役割を担う「肩甲骨」とシリンダー棒の役割を担う「腕」とのロコモーティブ(蒸気機関車の車輪の駆動)運動と首の屈曲、伸展、回旋運動と顎関節運動をしています。特に「肩甲骨」と「腕」は楕円運動をしながら上背部を移動しています。

この移動範囲の狭小化が肋骨硬化の原因となります。

不要な筋肉の発達は単なるおもりとしてぶら下がる腕をつくり、肩のラインを下垂させ鎖骨の下で腕にいく血管や神経の圧迫を引き起こします。
 
「肋骨」をやわらかくするための治療法は表面の軟部組織の緊張をやわらかくすることです。

肋骨表面の軟部組織の緊張が取れてやわらかくなると「肋軟骨」や「肋骨」の各関節の可動性が高まり柔軟性を持つ「弾力」を生みます。
 
「肋骨」に「弾力性」があり、生理的状態を回復すれば足底からの「全身連動反射」がスムーズに起きるようになるだけでなく胸郭が大きく膨張することにより、肺や心臓の機能が高まるため喘息(ぜんそく)などの呼吸器疾患や心臓病が治癒する道が開けます。

さらに横隔膜の動きがよくなり、内臓下垂も防ぐことができます。

肋骨(胸郭)に弾力性がなくなると…
★慢性腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症(痛みやしびれ)、 脊椎(分離)すべり症
★股関節痛、膝痛
★肩こり、五十肩、腕のこり、首・肩・腕・手(痛み、しびれ)、頸肩腕症候群
★呼吸器の不調や心臓の病気
★「プチうつ」

肋骨に弾力性が戻ると…
★肩こり、膝痛、腰痛の改善
★「基礎代謝」があがる
★体の活動性が増し、太りすぎの解消
★「プチうつ」の予防や解消
★脳の働きの改善

肋 骨 の は た ら き と 決 ま り ご と
(1)ポンプ と (2)バケツ と (3)カリパス・トング と (4)パラソルテンション
肋骨の半月U字は 胸骨が引き出される「ポンプハンドル」
肋骨の半月U字は バケツの取っ手が上下する「バケツハンドル」
肋骨の半月U字は 背骨の根元で開閉する蝶番の「カリパス・トング」
肋骨の飛び出し棒は 傘とそうめん伸ばし棒の「横隔膜テンション」
「ポンプハンドル」を開きながら、「バケツハンドル」を上げながあら、「カリパス・トング」を開くには、「腹式呼吸」と「鼻腔胸式呼吸(小萩造語)」を同時に開始しなければならない。このルールは、多くの臨床家が理解されておられません。
 「腹式呼吸」は、「腸骨筋(大腰筋・小腰筋・腸骨筋)」と「脊柱起立筋」を拮抗起動入力させ、腰椎を前弯起立させ、胸郭(肋骨)の「ポンプハンドル運動」を起動させます。
1秒後に、「鼻腔胸式呼吸(小萩造語)」は「前頚部筋」と「脊柱起立筋」を拮抗起動入力させ、頚椎を前弯起立させ、胸郭(肋骨)の「バケツハンドル運動」を起動させます。
この時、「カリパス・トング運動」を連動させて、次に「パラソルテンション」で横隔膜挙上も連動させます。
「腹式呼吸から「鼻腔胸式呼吸(小萩造語)」へと連動する《腹式・鼻腔胸式連動呼吸(小萩造語)》は、心室と心房の区切られた部屋を動かす心臓の自動性・自律性・自動能を刺激伝導系がうまく制御コントロールするように、「腰椎と頚椎の前弯起立起動伝導(小萩造語)」が、胸郭(肋骨)の「ポンプハンドル運動」から「バケットハンドル運動」さらには「カリパス・トング運動」や「横隔膜挙上」へと、「無意識下」で行われて、その時に臨んでいる場面に必要な、脳と体の酸素要求に応えているのです。
「バケツトハンドル運動」は、「ポンプハンドル運動」との協調運動での律動し、「カリパス・トング運動」と「パラソルテンション式横隔膜挙上」、つまり、「全身胸郭(肋骨)協調律動運動(小萩造語)」であるときのみに、常態的に胸郭(肋骨)が膨らみ続けられます。

頭蓋骨 と 胸郭(肋骨) と 骨盤
頭蓋骨 ~ 「マリオネット・ライン(小萩造語)」 ~胸郭(肋骨)
胸郭(肋骨) ~ 「シンドバッド・ベルト(小萩造語)」 ~ 骨盤
ここに、「鎖骨と肩甲骨(カウンターウェイト)」と「上肢(シリンダー)」を、「胸郭(肋骨)(フライホイール)」にくっつけて、蒸気機関車の車輪運動をしながら、胸郭(肋骨)を側屈や折り曲げるという複合運動をして、投げる・走る・道具を使うなどの荒業を「無意識下」でこなすのです。

胸郭(肋骨)は、頭蓋骨との間に「マリオネット・ライン(小萩造語)」を張って、胸郭(肋骨)の上に頭蓋骨を載せているように見せて、頭蓋骨に胸郭(肋骨)を操り人形のように操作する芸当をさせています(人体5分割の原理療法:セクション5)。
胸郭(肋骨)は、骨盤との間に「シンドバッド・ベルト(小萩造語)」を巻いて、赤い紐の張り具合で音の高さを変えられる堤(つつみ)の太鼓のように、ウエストを形づくります。

首をかまい、肩をいじり、腰をねじりかまって、なぜ痛みが抜けないのか。
全身の張力をコントロールして、体の柔軟性を支配するテンションである胸郭(肋骨)が、扁平化や漏斗化を起こして、ラインやベルトの張力調整をできなくなったからです。